すし屋の個性は、煮ものに出るとは、よく言われるところ。当店の場合は、火加減が秘訣。内海もののあなごを、はじめは一気に強火で、後に火を細めことこと気長に煮込みます。味付けはあくまでうす目に。濃い口醤油を用いる関東風のものとは異なり、見た目にもあっさりとした仕上げです。その煮込みあなごをたっぷりと使い、口の中でシャリがふんわりとさばけるぐらいに軽く押しをかけ、炒りごまの香りをきかせて箱ずしにしたもの。あなごのほのかな甘さを引きたてる煮つめ、そして柔らかなシャリの口当たりが特徴です。
加太、尾鷲など、主に紀州のものと呼ばれる鯵のなかから、いちばん美味しい一尺弱のものばかりを吟味して、少し浅めの生ずしに仕上げます。ほどよく酢がまわった頃合いを見計らい、にぎりの粋を活かした棒ずしに。箱ずしと異なり、シャリの口あたりも実にやわらか。松前昆布との取りあわせもよく、お酒の肴として、またご年輩の方でも、いくらでもお召し上がりいただけます。当店の鯵松前は、本来の味わいを損ねぬよううす塩仕立てとしておりますので、なるべく早目にお召し上がりくださいませ。
巻き寿司の値打ちは、一に海苔、二にシャリ、三に彩りの按配で決まります。当店の上巻き寿司は、えび、玉子、うなぎ、あなごなど丹精込めてひと仕事したネタに、歯ざわりの良いきゅうりを巻いた太巻きと、しそ、新香、かいわれ、きゅうり、ごま、梅肉の精進ものをうら巻きしたみぞれ巻の二種ひと組。ほのかに広がる海苔の香りとひとつぶひとつぶに甘みが宿るシャリ、そして目にも美味しいネタの彩りに、きっとご満足いただけるものと存じます。



旬の口福
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2006年

2007年
 
 

 当店の味をご家庭でもお楽しみいただくために、
 にぎりの折詰はもちろん、技と工夫を凝らしたおみやげ専用の寿司をご用意。
 
 いずれも自慢の味で、大変ご好評いただいていますが、
 残念ながらお店ではお召し上がりいただけません。
 ご帰宅になってから、お待ちかねの皆様とゆっくりご堪能ください。