余程のことがない限り、寿司ネタや鮮魚というのは知られています。
ですから、私どもの力の出しどころは、料理方法に限られるといってもよいかもしれません。しかも、素材が魚介類ですから、ありきたりの仕事ではお客様の冒険心を裏切ってしまいます。
たとえば、刺身にするか、焼くか、煮るか、和えるか、サラダにするか、添えるのは醤油か、三杯酢か、梅肉か、それとも酢味噌か。ひとつの素材が持ち合せたいろいろな味わいを、どう引き出すか、調味するか。じつに創造力と想像力が求められる遊びです。
そんな遊び心をたっぷり盛った料理と、吟味した各地の地酒とが、お客様の遊び心の琴線に触れたら、これはもう無上の幸せです。ひととき、わがままな料理人のお遊びにおつきあいくださいませ。
誠太郎 亭主口上
「誠太郎」の由来
当店の屋号「誠太郎」は、店主の父親の名にちなんだものです。 若い頃、黒門市場の魚屋に奉公していた父は、大正14年に独立し、 同市場内に鮮魚商「大誠」を開業。
後に 寿司店「誠ちゃん」へと商売替えをいたします。
店名の「誠ちゃん」は奉公時代からのニックネームで、 当店も昭和52年にのれん分けし、 同じく「誠ちゃん」として当地に開業いたしました。 ところが、平成14年9月9日の中座爆発被災により
休業をやむなくされ、10ヶ月後の翌15年7月23日に営業を再開。
それを機に文字通り創業時の初心に戻り、 より一層楽しんでいただける店となるべく「誠太郎」と改め、今日に至っています。